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2014-10-13
人口減少への対策(2)

日本創生会議の提言「ストップ少子化戦略」について詳しくまとめています。
【ストップ少子化戦略】
◇基本目標を「国民の『希望出生率』の実現」に置いています。
 2025年に「希望出生率=1.8」、2035年に「出生率=2.1」の実現を視野に
 する必要がありますが、2012年の現状出生率は1.41であり、かなり高水準
 の目標であると言えます。なお、出生率1.8の達成には、20代後半の結婚
 割合を現在の40%から60%にすることが必要とされ、さらに出生率2.1に
 するには、20歳代前半の結婚割合を現在の8%から25%にすることが必要と
 されています。また、第2子、第3子以上の出産、子育てを支援する環境が
 必要としています。
※ここでいう出生率は「合計特殊出生率」
◇若者が結婚し、子どもを産み育てやすい環境づくりのため、すべての政策を
 集中させる必要があります。
 ● 「若者・子育て年収500万円モデル」を検討しました。
  若年世代が20歳代に結婚し、2人~3人を産み育てるための経済基盤は、
  20歳代で300万円(独身)以上、30 歳代後半で500 万(夫婦)以上の
  年収が「安定的」に確保されることが目標としました。
 ● 結婚・妊娠・出産支援の必要性
  公共機関が結婚情報や機会提供を行う取組を積極的に展開したり、「晩婚/
  晩産化」に歯止めをかけるため、妊娠・出産に関する情報の提供と知識の
  普及・啓発、学校教育、さらに妊娠から出産、子育てまでワンストップで
  支援できる体制を整えたり、産後ケア、不妊治療等などの支援を行うこと
  が重要だとしています。
 ● 子育て支援
  待機児童の早期解消、0歳児保育の再検討(育休)、一定規模マンション
  の保育施設義務付や小学校空教室の活用等の子育て拠点整備を行ったり、
  ひとり親家庭への支援の強化や、「民間養子縁組機関」のルール整備など
  を行うことが必要としています。
 ● 多子世帯支援(子どもが多いと有利な税・社会保障、多子世帯住宅)
  多子世帯、特に第3子以降については、子育て・教育に要する費用が大きな
  影響を与えていると言われているため、多子世帯への保育・教育サービスの
  軽減・無償化が必要とされ、また3人以上の多子世帯向けの住宅は少なく、
  公的住宅やUR住宅において多子世帯向け住居を確保したり、子どもが多い
  世帯ほど有利となるような、税制・社会保障制度上の措置を検討すべきと
  提言しています。
◇女性だけでなく、男性の問題として取り組む。企業の協力も重要な要素。
 ● 男性の主体的な家事・育児への参画
  日本における夫の育児や家事へのかかわりは非常に低調で、男性の
  育休取得率は依然として低くなっています。さらに夫の長時間労働が
  妻が2人目を出産する意欲を削ぐ原因とされていることから、男性が
  育児に主体的に参画し、家族と触れ合う働き方を実現することは、
  少子化対策の上でも重要なことであると言っています。
 ● 企業における働き方改革
  企業は就労している若者(男女)の結婚・出産・子育てに大きな影響を与え
  ているため、企業(企業トップ)の姿勢も重要なカギとしています。
  たとえば、20歳代から育休取得を取りやすくしたり、男性の育休完全取得・
  育休保障水準の引き上げ(50%から80%へ)、育休明けの円滑復帰の支援、
  出産・育児で退職する間の経済支援、転勤に関する配慮、多様な働き方の
  推進(テレワークなど)が必要です。
  また、「長時間労働」の是正のためには、残業割増率を50%への引き上げを
  検討したり、企業の姿勢・実績の公表を行ったりすることも検討すべきだと
  しています。
◇新たな費用は、「高齢者世代から次世代への支援」への方針の下、高齢者対策
 の見直し等によって対応する。
 若年世代に比べると高齢者世代が平均的に多額の金融資産を有している実態を
 踏まえ、公的年金等控除をはじめ高齢者を優遇する制度の見直しに着手する
 ことが求められるとしています。