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2014-06-19
シングルマザーを支援する制度について

2013年(平成25年)9月の2012年(平成24年)における人口動態統計によると婚姻件数は668千組/年、離婚件数は235千組/年となっています。
単純計算で約35%が離婚しているともいえ、ほぼ3組に1組が離婚している計算となります。1970年(昭和45年)の婚姻件数が1029千組/年、離婚件数は95千組/年で、離婚率が約9%だったことを考えると、昔にくらべて離婚は人生における選択肢のひとつとして定着したように思えます。
また平成23年度全国母子世帯等調査結果報告によると、母子家庭となった理由の中で、離婚は80.8%と大きなウェイトをしめています。
女性の生き方が多様になり、離婚に関する偏見が無くなってきたことで、シングルマザーという生き方を選ぶ女性が増えていますが、母子世帯の経済状況は、決して楽なものではなく、貧困になる率はかなり高いと言われています。
まだまだ母子家庭に対する社会保障制度は決して整備されているとは言えませんが、国や市区町村から支給される各種手当や優遇措置などをしっかりと把握し、使える支援制度は積極的に使いましょう。

児童扶養手当
児童扶養手当とは、父母の離婚などで、父または母と生計を同じくしていない子どもが育成される家庭(ひとり親家庭等)の生活の安定と自立の促進に寄与し、子どもの福祉の増進を図ることを目的として支給される手当です。
父母が婚姻を解消した子ども、父または母が死亡した子ども、父または母が1年以上遺棄している子ども、父または母が裁判所からDV保護命令を受けた子ども(平成24年8月から追加)、婚姻によらないで生まれた子供をもつ家庭に支給されます。所得に応じて、全部支給と一部支給がありますが、全部支給は月額41,430円、一部支給は月額41,420円~9,780円となり、子供2人目で月額5,000円加算、3人目以降は月額3,000円/1人が加算されます。
子供が18歳に達する日以降、最初の3月31日までの児童を扶養している家庭に支給されます。手当の支給は、4月、8月、12月にそれぞれ前月分までがまとめて支払われますので、すぐに支給されるものではないことを覚えておきましょう。

児童手当
児童手当とは、ひとり親世帯に限らず支給される、子育て世帯の生活の安定に寄与とともに次世代の社会を担う児童の育成を目的とする制度です。所得制限があるものの中学校終了前まで支給され、児童扶養手当とのダブル受給も可能です。
ただし、申請は別々に行わなければならず、また毎年6月1日における「現況届」を提出しないと支給が受けられませんので、注意が必要です。
手当の支給は、2月、6月、10月となっていて、それぞれ前月分までがまとめて支払われます。

ひとり親家庭の医療費助成制度
各市区町村によって、所得要件などの制度が異なりますが、母子家庭や父子家庭、父または母のどちらかが障害者の家庭に、病気やけが等で医療機関にかかった時の医療費の一部を支給する制度です。
助成は、一定の所得制限を超えないことが条件ですが、子どもの年齢が満18歳に達した日の属する年度末日まで受けられます。(障害がある場合は20歳未満)
朝霞市の場合は、朝霞市および近隣3市(志木市・和光市・新座市)の医療機関であれば、限度額内(1医療機関につき1ヵ月21,000円未満)であれば、窓口払いがないため、大変使いやすくなっています。
ただ、生活保護を受けている場合や児童福祉施設(かつての母子寮)等に入所されている場合、就学援助制度を受けている場合などは、各制度が優先適用されます。

生活保護制度
生活保護は、生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的とする制度です。厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費と収入を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給されます。
受給へのハードルは高く、自動車、生命保険、預貯金などの資産はすべて活用(処分)しなければならず、利用できる制度はすべて利用することが必要です。収入は、世帯単位で査定されるため、親と同居していたり、養育費がもめて離婚が成立していない場合などでは、申請が認められません。また親族等から援助が受けられる人は受けなければならず、働ける人は能力に応じて働かなければなりません。ただし、乳幼児を抱えた母子家庭はこの限りではないようです。
なお、生活保護には、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助などがありますが、支給される保護費は、地域や世帯の状況によって異なりますので、最寄の自治体の福祉担当窓口や福祉事務所に相談に行きましょう。ただ、母子家庭の生活保護受給率は14.4%と決して高くはなく、認定の難しさをうかがわせます。

その他の支援制度

各行政区の支援制度
各都道府県、市区町村において、様々な支援制度が設けられていますので、チェックしてみましょう。
児童育成手当、ひとり親家庭児童就学支度金支給制度、母子家庭等自立支援給付金事業母子自立支援プログラム策定等事業、母子家庭等日常生活支援事業、母子家庭及び寡婦自立促進計画、母子寡婦福祉貸付金、母子生活支援施設などがあります。

公共交通機関の特別割引
母子家庭や父子家庭などは交通機関の割引制度が適用される場合があります。児童扶養手当を受給している世帯は、JRの通勤定期乗車券が3割引きで購入できたり、東京の場合は都営交通(地下鉄やバス)、私鉄や市営バスなどは割引販売をしています。積極的にお問合せしてみましょう。

所得税、市民税の軽減
母子・父子家庭は申告等により税の軽減(所得税・住民税)が受けられる場合があります。また、寡婦控除という所得控除の制度があり、”特定の寡婦”に該当する場合には35万円です。
“特定の寡婦”は「夫と死別し又は離婚した後婚姻をしていない人や夫の生死が明らかでない一定の人」、「扶養親族である子がいる人」、「合計所得金額が500万円以下である」すべてに該当することが必要です。

水道料金、下水道使用料の減免
児童扶養手当を受給している世帯などには、水道基本料金や料金の一部が免除される場合があります。

就学援助
生活保護者とおなじくらいに困窮している家庭を対象に、学用品費や学校給食費、修学旅行費、校外活動費、クラブ活動費などを援助する制度です。また、高校においても、生徒の授業料や入学金を減免する制度があるます。

国民年金の免除
国民年金には、所得が少なく、保険料を納めることが困難な場合、本人の申請によって保険料を全額、または半額免除する制度が設けられています。国民健康保険は、所得が基準以下の家庭、退職や倒産など何らかの理由により収入が大きく減少した場合に保険料の支払いが困難なときには、保険料を減免できる場合があります。

様々な制度があるわりには、縦割りになっていたり、行政区によって申請方法や審査基準が違ったり、相談窓口がバラバラだったりと、なかなか制度全体を把握することは難しいですが、広くアンテナを張り、利用できる制度は積極的に利用したいものです。
シングルマザーになると、仕事や育児などいろいろなことを一人でこなさなければなりません。生活費を稼ぎたいから長時間働こうにも育児があるとそれも難しく、その結果、生活が厳しい、子育てに余裕がないなどの悩みを抱えてしまいやすくなります。自分ではどうにもできない状態が訪れてしまったら、制度を利用するだけではなく、人の力を借りることも必要なことかもしれません。
シングルマザーシェアハウスは、同じ境遇の人が集まり、家族のように互いに少しずつ助け合うことで、時間や気持ちにゆとりがうまれることでしょう。
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