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2014-10-13
人口減少への対策(1)

第二次安倍改造内閣は「地方創生」と「女性の活躍」二本柱に掲げています。
今年5月8日に日本創成会議・人口減少問題検討分科会が発表した「ストップ少子化・地方元気戦略」という提言をうけてのことです。
提言によると日本の人口減少は「待ったなし」の状態にあり、このまま生まれる子どもが増えず、大都市に人口が集中する状況が続いていけば、全体の約半数にあたる896の市区町村が消滅の危機に直面するという衝撃的な内容です。
日本創生会議は推計にあたり、主に出産を担う20~39歳の女性が急激に減少する地域では、出生率が上がっても将来的には消滅する可能性が高いとしています。つまり、出生率を向上させるだけではなく、出生率の低い東京を始めとした大都市圏への人口流入に歯止めをかけるような施策も必要となってきます。
日本創生会議では、「楽観論」「悲観論」で議論するのではなく、この人口減少という真実を国民が正確かつ冷静に認識し、出来うる限り早急に、すべての政策を集中する必要があると言っています。
若者が自らの希望に基づき結婚し、子どもを産み、育てることができるような社会をつくることが、人口減少の流れをストップさせる基本方策であり、また、男性が働き方を変え、育児に主体的に参画する一方で、女性が能力を活かして社会で活躍できるようにすることも、同時に行って行かなければならないとしています。

一方、政府は6月24日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる「骨太の方針」で「人口が50年後においても1億人程度の規模を有し、将来的に安定した人口構造を保持する国であり続けることを目指していく」としました。
日本の人口は2013年10月時点で1億2729万人で、2048年には1億人を割り込み、2060年には8674万人と現在の3分の2にまで減ると言われています。
日本の2013年の合計特殊出生率は1.43。50年後に1億人の人口を維持しようとすると、2030年に2.07まで上げる必要があります。
出生率が高いのは沖縄1.94、宮崎1.72、島根・熊本1.65となっていて、もっとも低いのが東京の1.13となっています。
地方自治体の中では、若者同士の出会いの機会の提供や妊産婦を支える仕組み、医療費助成を拡充など子育てにかかる費用を軽減したりするなど知恵を絞って対策をしています。ただ、そもそも予算の低い各行政単位でできることは限られるため、国全体で取り組まなければ効果はありませんが、日本での子育て支援の予算は、現状ではGDPの1%程度に過ぎず、フランスやスウェーデンではGDPの3%以上を子育て支援に費やしています。以前から言われているように、高齢者への過剰給付にメスを入れて、「ダブルインカム3キッズ」を推奨していく施策を早急に推し進め、一刻も早く環境を整えていくことが喫緊の課題と言えるでしょう。

次の投稿から日本創生会議の提言【ストップ少子化戦略】【地方元気戦略】について詳しくまとめています。