母子家庭となると、仕事に追われ家事に追われ、子育てに追われながらの生活を強いられます。
もちろん我が子を育てることほど大きな喜びを感じることはないと思いますが、家事や仕事をしながら全てをこなすのは、想像を絶するほどに大変なことです。
子どもが大きくなるにしたがって、育児から教育と進んでいきます。時間的にも費用的にも有利な環境とは決して言えませんが、子どもの将来のためにも積極的に関わっていくことが大切です。
ここでは、子どもの進学過程において、母子家庭が利用できそうな制度などを見ていきましょう。
子どもと保育園
保育園には地方自治体が運営する公立保育園と、民間が運営する私立保育園の2種類があります。公立はすべて認可保育園ですが、私立保育園は、認可保育園と無認可保育園に分類されます。認可保育園は、国が定める基準(子どもに対する保育士の人数、園庭の広さ、遊具など)をクリアしている園のことで、国から補助金が援助されています。また、無認可保育園の中でも準認可園という園があり、国の厳しい基準は満たさないながらも各地方自治体が独自で定めた基準をクリアしている園のことで、自治体の助成を受けて運営されています。認可保育園や準認可園に入園基準について、行政によってはひとり親の優遇があったりしますが、費用も安いため人気が高く、かなりの競争率のため、それでもなかなか入園が厳しいと言わざるを得ません。そのため、無認可保育園に通いながら、認可保育園の空きを待つ人も多いようです。無認可保育園は、独自で保育内容をはじめ、保育料やシステムなどを定めていて、特徴のある園も多くあります。一度は足を運んで希望する園の雰囲気を見ておくことも大切です。(ただ、選んでいる状況ではないとの声も・・・)認可保育園は、役所に申請しますが、無認可保育園はその施設単位で申込をしますので、空き状況や緊急枠の状況などの情報収集は欠かさないようにしましょう。
子どもと幼稚園
保育園は保護者に代わって乳児又は幼児を保育する場、幼稚園は未就学児(3~5歳) の教育を行う場とされています。幼稚園は原則として1日4時間が標準となっていて、夏休みなどの長期休業あります。最近では幼保一元が推奨されているため、延長保育などの対応も進んでいますので、働くお母さんにとっても使いやすくなってきています。また2006年から長時間保育と教育の両方のニーズを満たすため、両方の機能を併せもつ認定こども園が設けられるようになりました。認定こども園も各地方自治体が設置基準を決めるため、利用料やサービスも施設ごとで異なる場合が多いため、自分の目で確認するようにしましょう。ただし、まだまだ数が少ないのが実情です。
病(後)児保育について
こどもが病気になったときには、本当に困ります。不測の事態で子どもの面倒をみることができない場合にあわてないように、複数の預け先をチェックして確保しておきましょう。保育園の中でも病後児保育施設を設けているところがあります。けっして数は多くないので、住んでいる地域にあればラッキーです。調べてみましょう。
役立ちそうな制度や支援団体が他にもあります。
•ひとり親家庭ホームヘルパー派遣制度
•ファミリーサポートセンター
•一般社団法人全国病児保育協議会
•認定NPO法人フローレンス
子ども・子育て支援新制度
平成24年8月に制定された「子ども・子育て支援法」により、消費税増税分の一部をこの制度実施のために充てられることになっています。新制度では、幼稚園、保育所に加え、「認定こども園」の普及を図るとともに、地域型保育を新設し、3歳未満児の保育を増やそうとしています。地域保育型では、保育ママと呼ばれる定員5人以下を対象にする家庭的保育を拡充し、さらに小規模保育(定員6~19人)を行う「小規模認可保育所」を国の認可事業として推進することが決まっています。
子どもと小学校
子どもが小学生になると子どもの体も少しずつ強くなってきますので、突発的な病気も少なくなってくることでしょう。また小学生になると義務教育となるため、ぐっと授業料は安くなります。ただ、学校指定の上履きや体操着、鍵盤ハーモニカやリコーダー、習字セットなどがあり、意外に費用がかかります。母子家庭の場合、就学援助制度がありますので申請しましょう。
また、小学校低学年のときはぜひ学童保育を活用しましょう。放課後、適切な保護ができない家庭の学童を預かってくれる保育施設で、毎日、家庭的な雰囲気で職員が接してくれます。多くは小学校1年生~3年生までを預かってくれ、午後6時~7時ごろまで開いています。学童保育所には子どもが放課後に自発的にいくことになるので、できれば通学している小学校へ隣接していることが望ましいでしょう。学童保育も子どもが大きくなるにしたがって嫌がるケースが出てくるため、地方自治体が運営する児童館などをうまく使って変化を持たせることも大切です。
子どもと中学校
そろそろ多感な時期に入ってくるばかりか、学力に差が付きやすいのも中学生くらいからです。手がかかりにくくなってきますが、成績も含めた学校生活や交友関係に注意していないと、非行の道へ走りかねません。親を助けようと頑張るまじめな子も多いのですが、反面、自我が未熟な中学生くらいが、家庭環境に影響を受けやすく非行化しやすい傾向にあることを認識しておきましょう。また近年の中学3年生の通塾率は65%を超えており、家庭教師を入れると学校以外での学習活動を受けている中学生はもっと多くなります。ひとり親世帯は費用面から塾通いをさせることが困難な場合も多いと思いますが、埼玉県で行われているアスポート事業や学生ボランティアを調べて積極的に活用しましょう。
子どもと高等教育
家庭の経済力の差が子どもの学力に大きく影響するといわれています。もちろん、母子家庭で育った子どもでも学力優秀な事例も数多くあります。
現在、高等学校への進学率は97%を超えているため、子どもの将来のためにも、進学をあきらめたくないものです。もし、学力面、費用面で不安があれば、全日制ではなく定時制高等学校を選ぶのもよいのではないでしょうか。授業料も安く設定されている場合が多く、夜間だけでなく、昼間部などを持つ定時制高等学校も増えてきていて、4年で卒業となる場合が多いようです。
さらに専門学校、大学などと進む場合は、アルバイトをしながら通学したり、奨学金制度を利用することもできるようになってきます。また、高等学校を卒業できなくても、高等学校卒業程度認定試験にトライするのも良いと思います。ただ最近では、大学生の就職率も落ちているため、大学進学が良いとは限らなくなってきました。子どもの特性を生かせる仕事はなにか、そのために必要な学習は何かと考えなくてはいけない時代となりました。 若いうちから専門的な技能、知識をつけるために、専門学校を目指す学生も増えています。
母子寡婦福祉資金貸付金について
母子寡婦福祉資金は、母子家庭および寡婦の経済的自立と、扶養する児童の福祉の増進を図るため、就学資金をはじめとした各資金を貸し付ける制度です。償還期限は、資金の種類により、3年間から20年間までとなっており、原則、無利子で借りることが可能です。さらに、貸付条件の見直しにより連帯保証人要件が緩和され、連帯保証人の確保が困難な母子家庭の実情を考慮し、連帯保証人のない場合も貸付を認められます。
事業開始資金・事業継続資金・修学資金・技能習得資金・修業資金・生活資金・住宅資金などの種類がありますが、奨学金の代わりとして活用されている例も多いようです。高等技能訓練促進費と併用することもできるようなので、各地方自治体に確認し、制度をうまく利用してみてください。
当社では、母子家庭の皆様の充実した生活を応援するべく、シェアハウスの提供を行っております。本社は東京にありますが、シェアハウスは埼玉県朝霞市にあります。池袋や渋谷などのエリアにもアクセスが良く、埼玉だけではなく横浜などからの転入も大歓迎です。
入居対象者は母子家庭のため、同じ境遇の方々が、互いに手を取り合い、助け合うことが出来ると信じています。朝霞市では、朝霞どろんこ保育園(認可保育園)が、会員になれば誰でも利用できる病後児保育施設を運営していますので、心強いですね。また、シェアハウス近くの幸町放課後児童クラブは、朝霞市立朝霞第四小学校の敷地内にありますので安心です。